中国やインドと言ったBRIICSの2カ国とも国境線を接し、また人口6億人のASEAN諸国の多くの国と国境を接し、31億人の市場の中心に位置します。そして、Deep Seaportが建設可能で、国内有数規模の工業地帯開発が進むダウェイは、バンコクから西にわずか300Km、インド・アフリカ・欧州などへの海路が開けている。“地理的な優位性”も諸外国が注目する理由の一つとなっています。
ミャンマーは、天然資源が豊富で、天然ガスの産出量はアジアの中ではインドネシアに次いで2位であり、隣のタイは電力ほとんどをミャンマーの天然ガスで賄っています。またミャンマーは、森林が国土の約半分を占め、チーク、紫檀などの質が良く、世界でも有数の森林資源国です。そして、米、豆類、ごま、さとうきびなどの農作物、海産物も豊富にとれます。他にも、石油、鉄、金、ルビーや翡翠など、多くの天然資源を有しています。
ミャンマー人の識字率は91.7%と非常に高く、近隣諸国と比べても勤勉で学習能力に優れています。にもかかわらず、ミャンマーの人件費は、大変低く抑えられており、安価な労働力を確保することができます。そして、ミャンマー人には熱心な仏教徒が多く、あまり自己主張をせず、相手を立てて皆で円滑に物事を進めようとする国民性であり、加えて手先が器用で真面目であり、日本人との共通点が多くあります。 また、ミャンマーには6200万人という多くの国民がおり(マレーシアの2倍以上、タイとほぼ同じ)、しかも若年層が多いため、これからの人口の伸びが期待されます。つまり、ミャンマーは生産拠点としてだけではなく、消費マーケットとしてもポテンシャルが高いのです。
このように、とてもポテンシャルの高いミャンマーですが、長い期間に及ぶ経済制裁のために、経済的に未開拓の状態が続いていました。ところが、2010年の総選挙を経て、2011年に長年続いた軍事政権よりティン・セイン大統領による民政に移管し、今急速に経済発展を始めています。日本政府がODAを再開するなど経済成長を後押しする一方で、欧米諸国も長らく続けていた経済制裁を解除することで、今後日本だけでなく、欧米からの投資が一機に押し寄せると考えられています。既に、世界中から殺到するビジネスマンでヤンゴン中心地のホテルは連日満室という状態です。
日本とミャンマーの両方を良く知る人は、今のミャンマーは「明治維新と高度経済成長が同時に来たような状態」と言います。この変革期の大きなチャンスを是非ともつかみたいものです。
海外からの投資が過熱しているミャンマーでは、当然、不動産に対する投資も注目を集めています。
海外から押し寄せる企業のためのオフィス物件、ビジネスマンを収容するホテルやサービスアパートメントは、いずれも圧倒的に供給が不足している状況です。たとえば、サービスアパートメントについては、日本や欧米からの駐在員が住むレベルのものが、数えるほどしかなく、稼働率はほぼ100%、100人を超す人が入居待ちのウェイティングリストに載っている物件もあるほどです。このように日本では考えられないようなポジティブな需給ギャップがあることがミャンマー不動産投資の魅力です。
このような状況から、地価や賃料はここ数年で大きく上昇していますが、中国やベトナム等の対比で見れば、“都市化”はまだ始まったばかりで(都市化率は28%)、これからも上昇は続くものと考えられています。ミャンマーへの外資参入、インフラ整備がこれから本格化することを考えると、今こそが仕込み時なのではないでしょうか。
そして、不動産投資に関する法的な整備も近年進んできており、特に制定の準備が進んでいるコンドミニアム法では、外国人が直接一定階層以上のコンドミニアムを保有することができるようになる予定です。また、現段階においても、ファンドスキームにより、ミャンマーの不動産へ投資することが可能です。もっとも、日本とは異なる法律や税制、商慣習がありますので、投資に際しては、専門家に相談のうえ慎重に検討すべきでしょう。インフィニアでは、ミャンマー不動産投資を検討されている方へのソリューションを提供いたします。
ミャンマー不動産の需給の状況、他国との比較、不動産に関する法規制の状況の詳細については以下をご覧ください。
オフィス | 最大商業都市のヤンゴンは最低870万Sqftの商業スペースが必要とされている中、現状はまともなオフィスは数棟に限られ、賃料はブルームバーグによるとニューヨーク中心地よりも高いとされている。現状の供給だと2015年末までに190万Sqftの床しか供給されず、不足な状態が続く。 |
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商業施設 | 専有商業施設が最近作られるようになったが、伝統的には集合住宅の1階に商業施設が入るのは一般的。一方ダウンタウンから車で20分圏内にはショッピングモールも登場。地元資本によるジャンクションスクエアにはダイソーやシンガポール・タイ系アパレルも入居。2013年5月にはマレーシアのパークソンがオープン、ローカル向けの商店に比べ高額な商品が並べられ、ブランドテナントも入居している。日本のイオンも近日参入予定。 |
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ホテル | ヤンゴン市内のホテルはUSD200~400の高級ホテル、USD120前後の中級ホテル、USD30前後のローカルホテル、ゲストハウスに分類される。経済制裁解除以前はUSD100/泊だったが、現在はUSD300/泊まで高騰。ダウンタウンに近いパークロイヤルや、チャトリウムホテルなども同様に宿泊料が上昇している。 また、乾季である10~2月は観光ハイシーズンにあたり、4つ星、5つ星ホテルは観光客で満室となることから、拍車をかけて不足状態に陥る。 |
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レジデンス (分譲コンド/SA) |
【分譲コンドミニアム】 旧市街のダウンタウンに集中しており、5~8階で連投ショップハウス型が多い。近年は10階超でスタンドアローンのコンドや、分譲戸建てを含むタウンシップ開発が始まった。また、大手デベの統計によると、市内のコンド供給数は2010年と2011年がそれぞれ約1,600戸、2012年が約1,100戸、2013年の予測は約1,500戸と少ないが、市場開放による地元デベロッパーによる開発事業拡大や外資の参入を受けて、2015年以降は供給が徐々に増えるてくるものと予想される。 【サービスアパート】 まともなSAは市内の数カ所のみと言われている。いずれも稼働率はほぼ100%、入居まで6ヶ月~1年待ちの完全な供給不足。昨今の日系企業進出ラッシュを受けて料金が高騰しており、1ベッドはUSD3,000~4,000、3ベッドに至ってはUSD6,000超。そのため、ホテルに長期滞在する日本人駐在員もいる。 |
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・いづれのアセットクラスでも需要が強いが、外資の参入が進む中、駐在員がまともに住める住居が全く足りていないという現状であり、サービスアパートなどの“レジデンス”市場は底堅い需要が続くものと予想される。
・新興国である以上、リスクは存在するものの、他国と対比してみてもミャンマーの経済成長、都市化の進展とともに、不動産市場の活況は続くものと予測される。
・これを“過熱”と言うかであるが、経済の発展段階、需要と供給のバランス等から判断すると“供給が追いついていない”状況は今後も続き、この点で他のアジア諸国とは異なる魅力がある。
不動産開発 | 政府保有の土地での年限付きBOTか、土地所有が認められている現地の個人・企業とのJVによる不動産開発が可能。JVの場合、外資企業最大株保有率は80%程度までと言われている。 |
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土地の所有 | 国が土地の絶対的な保有者になり、英国植民地時代から続く一部の所有権を除き、すべての土地がリースになる。現地企業・個人には通常60・70・90年リース。外資系の場合70年(50+10+10)が最長。 |
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MIC認定企業 | 外資系または現地企業と外資のJV企業でMIC(ミャンマー投資委員会)の認可を得た企業。土地のリースで最長70年が認められる上、5年間の法人税免除を受けることができる。 |
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コンドミニアム法 | 詳細は明らかにされていないが、現在認められていない外国人による4または5階以上の住戸の購入が認められると予想。ミャンマーの不動産市場の活性化につながると見られている。 |
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・今後も不動産投資・建築・建設に関わるルール制定・改革が進むものと思われる。
・前に比べて明らかに法整備が進んでおり、特にコンドミニアム法の制定は不動産投資がさらに活発化する上でのターニングポイントとなる可能性がある。